天鈿女命:手に蔓(つる)を巻きつけた矛を持ち、天石窟戸の前に立って巧に俳優(わざおさ)を作す(見事に舞い踊った)。また、天香山の榊を鬘(かづら)としてまとい蘿(ひかげ)を襷(たすき)にし、火を焚き桶を伏せて置いて、顕神明之憑談(かむがかり)をしました。
●宇気(桶・槽)伏せて、踏み轟かし:日之神(天照大神)を招請するために、天鈿女命の行った舞を、オキワザ(招業)といいます。神憑状態の極みは、咏舞するまでになるものだそうです。神懸かりそのものが、日招きで、神を肉身の上に招く行事です。
俳優(ワザヲギ)・日招き(ホギ)・神祝祝(カミホギニホグ)・御日招(ミホギ)・風招(カザホギ)=神風を祭る事。飲憩(オケ)=招(オケ)
「榊」及び「矛」は共に「ホコ」と云い、ホコは日来(ほこ)でホギに通じ、日招に一致する賀音を有するものとして用いられました。ホコ(榊・矛・秀木)=日来→ホギ
※すでに足で踏み轟かしたうえで、さらに杖(矛)で桶を突いて重複して霊の発動を十分に行ったのです。
●わざをぎ:天岩戸前における天鈿女命の「わざをぎ」は、太陽光線にその身を当てて、新たなる太陽を出現せしめる呪術。つまり、天照大御神の遊離した霊魂を招いて復活させる爲の「をぎわざ」であり、その時点で冬から春が到来するのです。
勉強会で真実の日拝をお伝えしてきましたのは、まさしく天鈿女命ばりの日拝・「わざをぎ」です。損得勘定なしの実践が大事です。
「自(おのづ)から照り明(あか)し給う」ことが天関打開の神法でしょう。