「あっそうだ!ばあちゃんは、お煎餅が好きだったなぁ、じいちゃんは、お酒は剣菱しか飲まなかったなぁ」と、他界した人が生前好きだったものを、真心こめて霊前に供えます。
真心のこもったものは、速やかにそのままの姿で幽境に出現するのだそうです。
神前への供え物(神饌)も同じです。
ですので、供え物は真心こめて(他界した人に思いを馳せて)奉るべできです。
乱雑に供えたり、あまり物や残り物を用いるなどは慎むべきです。
以前、神祭の時に、皆に神前に供える神饌を準備してもらいました。買い求める場所がスーパーであっても、果物を厳選しておいしそうなものや、野菜や海産物もなるだけ新鮮(神饌だけに)でいいものを各自が選び、神饌として供えられました。
そんな中、野原で摘んだままの萎んだ土筆を私に見せ、「土筆つんできました。これ、供えてもいいですか」という人にはびっくりしました。
神様にですよ。ワン公がおしっこひっかけたかもしれないのに。これはさすがに無礼です。先祖にだって失礼です。質素倹約は美徳のつもりでしょうが、せめて食せるように調理してあるものでも、「これはうまい!」と唸って頂けるようなものをお供えしたいですね。
「神祭りや先祖の供養は盛大に行うべきである」と、本居宣長先生もおっしゃっております。
見返りを求めるわけではありませんが、それなりの反応があります。
秋の彼岸で先祖に供える「つくし」は、身を「つくし」てお供えしてくださいね。
「身をつくし」とは、一身を打ち込む。まことを尽くすことです。