昭憲皇太后の御歌
〈金〉
『もつ人の 心によりて 宝とも 仇ともなるは こがねなりけり』
口語訳:持つ人の心がけ次第で、宝ともなり、災いの元ともなるのは、人間がこの世の便利のために作った金額というものです。(明治21年)
欲望人間たちは、心のわがままから、他人より楽をしてうまくお金を増やそうとか、儲けたいと思う人が、甘い言葉に乗せられて、自ら罠にはまってしまうのですね。
人間は己の心に振り回されて、不安一杯に暮らし、嫌な思いは刹那の快楽でごまかし紛らわかしたりして、その日その日、その場限りのなりゆき生活している人は哀れです。
肉体を自我意識、社会性意識で酷使して、功利的享楽的利益のみを求めているうちに、肉体の抵抗力を失い、意志も弱いため、訳の分からない病気や悩みを抱えている。
今の世の中の常識というものに流されていると、大きなしっぺ返しを受けることになります。