明治天皇 御製
をりにふれたる
豊年の新嘗祭ことなくて つかふる今日ぞ うれしかりける
口語訳:稔り豊かなこの年の新穀を神々にお供えする新嘗祭。一年の農事が何の障りもなく例年どおり御祭りを迎えたことは、まことにうれしい限りである。(M.36年)
「勤労感謝の日」の由来~新嘗祭
「勤労感謝の日」は、新嘗祭(にいなめさい)という祭祀に由来します。「新」は新穀、「嘗」は奉る、舌の上にのせて味をためすという意味で、「新嘗」はその年に収穫された新穀を神様に奉って恵に感謝し、口にすることを表しています。新嘗祭の歴史は古く、『日本書記』には飛鳥時代に行ったという記述があります。とは、一般的に云われていることですが、間違いがあります。
「嘗」は、「舌の上にのせて味をためす」?犬でもあるまいし、ペロペロするという意味ではありません。「嘗」はナメではなく、「アヘル」(和える)という意味です。神様がお食べになる新米を、神様と一体となって(アヘテ)感謝していただくという意味です。
現在でも、新嘗祭は宮中をはじめ全国の神社で行われており、五穀豊穣を祈願する祈年祭と相対する重要な祭祀とされています。とくに宮中では、天皇陛下が自らお育てになった新穀を奉るとともに、その新穀をお召し上がりになります。新嘗祭は宮中恒例祭典の中の最も重要なものとされ、新天皇が即位の礼の後、初めて営まれる大規模な新嘗祭を大嘗祭(だいじょうさい)といいます。が、※本当は「オホニアヘマツリ」といいます。
新嘗祭が「勤労感謝の日」になったのは1948年(昭和23年)で、戦後のGHQの占領政策により改められました。これは残念なことですが、本当です。