えびす講とは、七福神のえびす様をお祀りして、商売繁盛や五穀豊穣、家内安全などを願う行事です。さまざまな福をもたらしてくれるといわれる神様である恵比須様は、「商売繁盛の神様」としてのイメージが強いため、江戸時代には商家で盛んにえびす講が行われたそうです。また、漁業や農業を生業とする人々にも、えびす講は親しまれています。
えびす講が行われる日は地域差が大きく、現在私が暮らしている遠州地方では11月20日と1月20日、に行われます。9月には自治会の会計担当の方が隣保を廻り、天照大御神様のお札と恵比寿・大国様のお札の注文を取りにきました。私は天照大御神様と豊受大神様のお札は伊勢の外宮・内宮で求めるのが常ですが、産土神社に貢献しなければということから、お札を購入しました。(田舎に住んで、いかった~)
(12月21日には、伊勢の外宮、猿田彦神社、内宮に今年1年の感謝のご挨拶と新しいお札を頂く予定です。)ちなみに、恵比須様は、「留守神(るすがみ)」としても活躍されます。毎年10月は、日本全国の八百万(やおよろず)の神々たちが島根県の出雲大社へ集合するといわれています。しかしこの際、出雲には出向かず、他の神様たちが留守の間に人々を守る神様の一柱が恵比須様で、もともとえびす講とは、10月にひとり残されて寂しい思いをしているであろう恵比須様を慰めるために始まったとも伝えられているそうです。(留守神様には、恵比須様だけではなく、道祖神やかまど神、金毘羅様なども留守神様だそうです。)
一方、出雲大社に集まった神様たちは、向こう1年間の人々の縁結びや農作物の実りなどについての相談を、1週間かけて行うといわれています。
えびす講では、それぞれの家で恵比須様へのお供えは、その時々の旬の食べ物や鯛、ご飯、鏡餅、お酒などなど。また、財布やお金など、商売にちなんだお供え物もあるそうです。そして、これらのお供え物を下げるときには景気良く、「万々両で買い受けます」と一言添えるのがお約束事だそうです。